ASAHIKAWA WBC(up2016.03)
所属 旭川医科大学 精神医学講座
氏名 Yoshiyuki Tamura 准教授 田村 義之 |
研究テーマ 医師の睡眠習慣と勤務状況および生活習慣との関連性 研究内容(概要) 医師の睡眠習慣に関する報告はほとんどない。そこで、医師を対象として睡眠習慣と勤務状況および生活習慣との関連性を解明することを目的とした調査を行った。その結果、医師では睡眠不足感を訴える者が64%と高率に認められた。また、睡眠不足感は勤務形態(20床以上の病院)、長時間労働、不規則な生活、および疲労感と密接に関連していることが明らかになった。 関連キーワード 医師,睡眠習慣,睡眠不足感,勤務形態 |
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主な研究内容もしくは代表的な過去の事例研究
1.研究目的 近年、医師の長時間労働の実態が明らかになっているが、医師の睡眠習慣に関する報告は、国内外においてほとんど行われていない。本研究では医師の睡眠習慣と勤務状況および生活習慣との関連性について調査した。 2.研究方法 医師2,455名に健康状態と生活習慣に関する自記式質問紙を郵便にて配布し、回収した。回収が得られたのは881名(35.9%)であった。このうちデータが不十分のものを除いた838名(男性691名、女性147名)について検討した。平均年齢は38.4±6.5歳であった。 勤務形態は、A群(20床以上の病院)、B群(有床診療所)、C群(無床診療所)、D群(病院・診療所以外)の4群に分類した。 統計学的検定には、X2検定、Mann-Whitney U testを用い、変数相互の偏りを調整する目的で2項ロジスティック回帰分析を行った。 3.研究結果 1)勤務日の平均睡眠時間は410.4±60.5分で、非勤務日に比べて約1時間短縮していた。 2)勤務日に睡眠不足を訴えた者は全体で64.5%と高率に認められ、非勤務日には32.3%に低下した。 3)睡眠不足感と睡眠時間には有意な関連性は認められなかった。 4)睡眠不足感の割合は、A群とB群ではC群およびD群に比べて有意に高かった。 5)睡眠不足感の割合は、労働時間が長く、疲労感が強く、生活が不規則な者ほど有意に高かった。 4.結論 医師の睡眠時間は短く、睡眠不足を訴える割合が高いことが明らかになった。睡眠不足感は病院勤務医に多く、その要因として、生活の不規則性、勤務形態(20床以上の病院勤務)、疲労感、長時間(9時間以上)労働が密接に関連していることが示された。 |
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連絡先 総務部研究支援課社会連携係 Tel:0166-68-2197 Fax:0166-66-0025 E-mail:sho-kenkyu@jimu.asahikawa-med.ac.jp URL: http://www.asahikawa-med.ac.jp/ |
相談可能な分野・講演可能なテーマ ・睡眠衛生、睡眠障害 |
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