ASAHIKAWA WBC(up2016.03)

所属

旭川医科大学 微生物学講座

 

氏名

Nobutaka Wakamiya

教授 若宮 伸隆

研究テーマ

@  コレクチン遺伝子ファミリーの生体での意義の解明、A機能性食品開発のための拠点構築、B補体関連因子測定系の開発

研究内容(概要)

@  コラーゲン様構造を内部にもつ動物レクチンであるコレクチン(CL-L1, CL-P1, CL-K1)の機能解析を、細胞・動物レベルで行い、臨床医学への応用を図る。A北海道の素材で食品開発のため、抗酸化能に焦点を当てた生化学的解析を行い、事業化に役立つ基盤構築を行う。B補体関連疾患の病態解明のための補体関連因子測定系の開発と構築

関連キーワード

抗微生物活性,抗酸化機能,ポリフェノール,補体,コレクチン

主な研究内容もしくは代表的な過去の事例研究

●文部科学省科学研究費補助金 基盤研究(B)(2001年〜2003)

課題:血管内皮にのみ発現する膜型コレクチンのスカベンジャー機能を解析する (代表研究者)

血管内皮に存在する新規コレクチン遺伝子(CL-P1)が新しいスカベンジャー受容体として機能し、血管内皮細胞特異的なシグナル伝達経路を明らかにした。(Ohtani, K., Suzuki, Y., Wakamiya, N. et al. J. Biol. Chem. 2001.

●文部科学省科学研究費補助金 基盤研究(B)(2004年〜2006)

課題:血管梗塞・炎症にともなう血管損傷の定量的検査法の開発(代表研究者)

血管内皮に存在する新規コレクチン遺伝子(CL-P1)に対する、種々の抗体作成を行い、生体のおける発現の仕組みと血管損傷部位における、発現増強メカニズムを明らかにした。

●文部科学省科学研究費補助金 基盤研究(B(2007年〜2009)

課題:腎組織に存在する新規コレクチン分子の基盤的解析 (代表研究者)

新規コレクチン遺伝子CL-P1は、腎臓において糸球体メサンギウム細胞に存在し、一方CL-K1は、主に糸球体基底膜と尿細管に存在することを明らかにした(Motomura W, Wakamiya N., J.Histochem.Cytochem, 2008)

ヒト血管内皮細胞で、微生物・異物の貪食機能をCL-P1が主に担うことを明らかにした。(Jang SJ, Wakamiya N., J. Biol. Chem. 2009.

●文部科学省科学研究費補助金 基盤研究(B(2010年〜2012)

課題:血管増殖関連分子を利用した血管損傷・血管炎の定量的測定法開発の基盤的研究(代表研究者)

動物モデルにおける血管新生や発生にコレクチンCL-P1が重要な役割を持つことを明らかにした(Koyama S, Wakamiya N,BBA 2011, Fukuda M, Wakamiya N, BBA,,2011,コレクチンCL-K1の測定系を樹立し血中濃度を世界で初めて明らかにした。(Yoshizaki T Wakamiya N., J.B. 2013)

●文部科学省科学研究費補助金 基盤研究(B(2014年〜2016)

課題:多機能性コレクチンCL-K1DICにおいてどのような役割を担うのか(代表研究者)

DIC患者において、血中CL-K1の値が上昇することを明らかにした。(Takahashi K,  Wakamiya N, J Thromb Thrombolysis.2014)、本研究成果により、「CL-K1DIC診断測定系の開発」として2014-NP030258-080571-USでアメリカにて特許出願している

●厚生労働省科学研究費補助金・創薬等ヒューマンサイエンス総合研究事業費(2001年−2003)

課題:レクチン機能を利用した血管における生体防御システムの解明と創薬への応用 (研究代表者)

生体防御レクチンでCL-P1を発見し(Ohtani K, Wakamiya N, et al. J Biol Chem. 2001)、動脈硬化誘発因子である酸化LDLとの結合と動脈硬化の成立機序との関係を循環器内科と共同で臨床研究に取り組んだ。(Tsutsumi A, Wakamiya, N. Gene & Immunity, 2001

●厚生労働省科学研究費補助金・創薬等ヒューマンサイエンス総合研究事業費 (2004年−2008)
課題:血管におけるレクチンを介する生体防御システムの解明と創薬への応用 (研究代表者) 生体防御レクチンである、MBL, CL-P1に焦点をあてて、MBLでは、イムノクロマト測定システムの樹立に成功した。感染研でMBLを用いてエイズ感染モデルマウスで、動物実験での抑制効果のあることを明らかにした(抗HIV剤:特願2002-189534, PCT/JP03/08259, AU国際特許登録)

文部科学省科学研究費補助金・戦略的創造研究推進事業・たんぱく質の構造・機能と発現メカニズム(2003年−2008年)

課題:生体防御におけるたんぱく質間相互作用と機能発現機構の解析 (グループ代表者) 

血管内皮に存在する膜型コレクチン遺伝子CL-P1に相互作用する生体分子を明らかにし、それらの分子との相互作用を

解析した。さらに、新規コレクチンCL-K1を世界で初めてクローニングし、その機能の一部を解析した。

(新規スカベンジャーレセプター:特願2000-035155, 309068, PCT/JP01/00874 CN, US, EP, EU 国際特許登録、

コレクチン活性を有するhCL-K1ポリペプチド: 特願2006-104667, PCT/JP07/057632、国際特許出願)

文部科学省知的クラスター創成事業・サッポロバイオクラスターBio-S (2007-2011)、

地域イノベーション戦略支援プログラム(2012)

抗酸化機能を有するポリフェノールを含む、北海道産の食素材を探索・収集・分析を行い、データベース化して、一次産業従事者や食品加工業者などの食に関わる事業者に対して、情報提供を行う拠点を構築した。旭川医大内に抗酸化機能分析研究センターを設置し、種々の素材や食品分析の受託を行い、その分析データを集約して、抗酸化機能に注目した素材データベースを構築した。本データベースには、北海道におけるほぼ全農作物・自然食素材の抗酸化値(ORAC)等の分析データが収載され、一次版が平成251月に公開されている。また、素材サンプルは、2000種類以上保存管理されており、それらの素材ライブラリー化も継続して行われている。さらに、旭川リハビリテーション病院と地域住民の健康維持・増進効果検証のためのヒト臨床試験を平成26年から開始し、地場産食品等の機能性評価を進めている。また、上記事業の一環で、北海道教育大学旭川校と連携して食育などの取り組みも行っている。

連絡先 総務部研究支援課社会連携係

Tel0166-68-2197

Fax0166-66-0025

E-mailrs-sr.g@asahikawa-med.ac.jp

URL: http://www.asahikawa-med.ac.jp/

相談可能な分野・講演可能なテーマ

・ワクチン(インフルエンザ,パピローマ, MMR,ヒブ)

・エイズ全般(入学時教育講演、日本の現状)

・インフルエンザについて(新型,トリ高病原性)

・臨床医学における補体研究の新展開

・最新補体検査の重要性について

・機能性食素材のデータベースの意義

・機能性食品とは?

・食と健康について

・抗酸化機能を持つ機能性食品とは?